ラブラドール・レトリバーの特技はレトリーブ・・・ものを回収すること。
タラは生まれつきのフリスビー好きで、教えたわけでもないのに
フリスビーを投げると全速力で追いかけていって、くわえて、持って帰ってきた。
小さな頃から、毎週末、近くの公園でのフリスビー遊びが習慣になった。
身体が重かったのか、ジャンプしてのキャッチではなく、
フリスビーが落ちてくる場所まで追いかけていって、地面に落ちる直前にキャッチしていた。
たまに計算違いをして、自分が狙った場所より遠くへ落ちそうなときだけ
ジャンプしていたような気がする。
ドッグフリスビーは、犬の能力より、人間がうまく投げることのほうがまず先決。
ヒロと違って、私はあまり上手く投げれず、飛ぶと言うより
地面に突き刺さるように落ちることがよくあった。
「あ~ぁ・・」という表情で立ちつくすタラ・・・犬ながら「下手だなぁ~」と思っていたのだろうか。
そんなフリスビーも、3歳くらいまでしたできなかった。
ある日、自分のベッドから立ち上がって水を飲みに行くたタラが
足を引きずっているのに気づいた。
股関節形成不全・・・大型犬に特に多い遺伝。
さほど深刻な状態ではなかったものの、毎日サプリを飲み続けなければ痛む。
もちろん、ジャンプなど厳禁。
タラの一番の楽しみ、フリスビーができなくなって、タラ以上に落ち込んだのは私だった。
散歩の途中、川沿いでフリスビーをしている犬を見たら涙が出てくることもあった。
「何で、タラだけが・・・」
障害を持つ子供の親の気持ちが、ほんの少し理解できた。