ためらいがちな真珠あるいは虹の橋のタラ

まもなく一周忌

気持ちはまだまだタラがいない生活を納得していないのに、
時は瞬く間に過ぎ、29日は一周忌となる。

昨日、友人から花が届いた。
宅配便の人が手にしている箱が、あきらかに「花」の箱だったので
瞬間的に「タラにだ!」と思った。

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憶えてくれている人がいる・・・それが嬉しかった。
私たちにとってタラは宝物だったから。

犬としては欠点だらけの子だったけれど、
私たちの子供としては最高のワンだったよ、タラちゃんは・・・

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# by anuenue_tara | 2011-11-27 23:40 | タラ星ものがたり

⑤  「猫鳴り」 をあなたにお薦めするなら・・・

あれから1年が過ぎようとしている。
九月に獣医さんから「あと三か月の命」と告げられた飼い犬のタラが、
宣告通り11月29日に天国に旅立ってから1年。

癌だった。

夏に入ってからドッグフードを食べなくなり、散歩も家の周りだけでお茶を濁し、
体重も日毎に減りはじめ、時々うつろな表情で台所の片隅に座っていることもあり、
別れの時間が近づいていることをいやでも感じた。

わが子と思って共に暮らしてきた彼女に私がしてやれることは、
毎日極上の鶏のささみでご飯を作ること、
真夜中に軽くなった体を抱きかかえて庭で用を足す手助けをすること、
そして14年間癒やされ続けたことに心から感謝することだった。

死の1週間前から彼女は物を一切口にしなくなった。
水だけは体が欲したのか水の入った皿のところまで
ヒョロヒョロと歩いてくることがあったが、思いつめたように水を見つめ、
その思いを振り切るようにきっぱりと踵を返してベッドに戻る。
その後姿には、「もう死ぬと決めたのだから・・・」という覚悟が
見えていたような気がする。

そんなタラを見ているうちに、私が彼女にしてやれることが
もうひとつあることに気づいた。
犬の最後がこんなにも潔いということを何かに残すこと。
それは写真で記録を残してもよかったし、誰かに話してもよかったが、
私はこうして文章で残すことを選んだ。

動物の最後は「覚悟」と「あきらめ」、そして「約束を果たす」ことのように思える。
神様からこの世に送り出してもらう時に、
「未練を持たずに潔く訪れる死を受け入れます」と約束したかのように
律儀にそれを守って逝ってしまうのだ。
格好いいではないか。

ただ生まれて、懸命に生きて、静かに死ぬ。
私が死ぬ時も、彼女のように潔く死を受け入れられるのだろうか。
少しの希望にすがって切ったり貼ったりしないだろうか。
願わくばその時にちゃんと考える力が残っているとしたら、
タラがお手本を示してくれたようにきっぱりと死んでゆきたい・・・。

そんな私の思いを先に本に書いてしまった人がいる。
「沼田まほかる」という変わった名前の作家が「猫鳴り」という本の中で、
猫の最後をとことん書いているのである。

子供のいない中年夫婦の家に迷い込んできた子猫。
何度捨てに行っても小さな体で懸命に戻ってくる。ま
るで神様が子供の代わりに二人のもとに送り込んできたかのように。
その後、二人と1匹の生活が始まり、途中で妻が亡くなり、
そして老猫は二十歳を過ぎた頃体調を崩し食べ物はおろか水さえも口にしなくなる。
その姿は、ゆっくりと「死」を受け入れているかのように見え、
漠然と「自分の死」を恐れていた夫に勇気を与えた。
そして老猫は徐々に夫から遠ざかっていき、ついにある夜明けに息を引き取る。
見事な別れを果たしきった猫を夫は褒めてやりたい気持ちになるのだ。

やられた・・・私が書きたかったのに先に書かれてしまった。
悔しいけれど、タラの死を通して私が確信を持って感動したことが
そのまま書かれている。
どうか私からのメッセージだと思ってこの本を読んでもらいたい。
そして、やがて誰にも訪れるその時にこの本を思い出してくれたら・・・心から嬉しい。
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# by anuenue_tara | 2011-11-03 23:49 | えっせい

④ お薦め本 「猫鳴り」 あらすじ

やとわれ大工の藤治と信枝夫婦の家に生まれたての子猫が迷い込んでくる。
結婚一七年目にして初めて身ごもった子を流産した直後で心のすさんでいた信枝は、
その子猫を新聞紙に包んで近くの畑に捨てに行く。
だが翌朝再び子猫は庭に現れる。
今度は藤治が少し離れた林に捨てに行く。
その次の日、霧雨の朝にまたしても子猫が戸口のすぐ外にいた。
怪我をして、全身泥まみれになりながら林の向こうから這って来たであろう子猫、
まるで二人のもとに誰かから授けられたかのように
何度でも帰ってくるその姿に信枝はたじろぐ。
しかし、容赦なく信枝は三たび子猫を捨てに行く。
今度はもっともっと遠くの森の中へ。

ところが、その子猫を夫婦の家に捨てたのは
見知らぬ小学生の女の子だったことが明らかになり、
行きがかり上、夫婦は猫を飼う決心をする。流れた子供を忘れないためにも。

モンと名付けられたその牡の子猫がやってきてから十数年が過ぎた。
すでに信枝は病に倒れ他界し、残された藤治とモンは穏やかに暮らしている。
時々、藤治が首を撫で全身をさすってやると、モンは喉をグルグルと鳴らし始める。
それを藤治は「猫鳴り」と呼んでいた。
最近はその猫鳴りの最中に涎を垂らすこともあるモンは、
いつの間にか牙が抜け、肉の落ちた背中に老いが見え始める。
二十年が過ぎた頃、モンは体調を崩し、食べ物はおろか水さえも口にしなくなった。
その姿は、ゆっくりと「死」を受け入れているかのように見え、
漠然と「自分の死」を恐れていた藤治に
「モンが行けるのなら俺だってちゃんと行けるだろう」と思わせた。 
1か月以上飲まず食わずの状態でモンは徐々に藤治から遠ざかっていき、
ついにある夜明けに息を引き取る。
見事な別れを果たしきった猫を、藤治は褒めてやりたい気持ちになる。
自分に手本を示すかのように逝ってしまった猫を・・・。
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# by anuenue_tara | 2011-10-22 23:50 | えっせい

③書評「夜明けの街で」 東野圭吾 著

耳にタコができた人もいるかもしれないが、私は桑田佳祐の熱狂的なファンである。
その桑田の数ある名曲の中に「夜明けの街で~♪」というフレーズで始まる
「LOVE AFFAIR~秘密のデート」という曲がある。
いわゆる「道ならぬ恋」を男性側から歌った曲だ。
「捨ても失くしも僕はできない~♪」という言葉が男の潔悪さを表している。
家族を捨てることも恋人を失うこともしたくない都合のいい言い分である。
しかしファンの間では人気のある曲で、横浜のおしゃれなデートスポットが次々に出てきて
ライブには欠かせないラブソングである。
この「LOVE AFFAIR~秘密のデート」をモチーフに
東野圭吾が書いた小説が「夜明けの街で」という小説である。
映画化もされ間もなく公開の予定だ。

主人公は、妻と幼稚園児の娘を持つサラリーマン。
不倫する奴なんて馬鹿だと思っていたが、そのセリフを自分自身に向かって言う羽目になる。
小さなきっかけで同じ職場の若い女性と恋に落ちるのだ。
デートの場所は横浜・湘南とサザンの世界そのもの。
そして、深みにはまってはいけないと自制する自分と甘美な恋愛に溺れる自分の間で
揺れ動く主人公の心の描写がリアルに描かれていて、
読み進むほどに妻の立場として心穏やかでいられなくなる。
特にクリスマスに恋人と過ごすために友人も巻き込んでつく嘘は
あまりにできすぎていて思わず感嘆の声をあげそうになる。
・・・そうか、男はこんな風に計算しつくした嘘をつくのか・・・と。

ところが、話は単なる不倫だけでは終わらない。
実は彼女の家で15年前に殺人事件があり
彼女も容疑者の一人として疑われていることがあきらかになる。
間もなく事件は時効となり、その時が来れば真実を話すと彼女は言うが、
はたして彼女は犯人なのか?
ラストにはもちろん明らかになる。
そして妻の心の中の嵐も暗示され、切ない。

この本を世の夫たちに勧めてみたい。
感想を聞きたいというより、
どんな顔をして読み進めていくのかをこっそり観察してみたい
・・・と思う私は意地悪だろうか?
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# by anuenue_tara | 2011-10-10 22:41 | えっせい

32アニバーサリー

10月7日は結婚記念日。
今年は32周年、33年目に入った。

最近おろそかになりがちだった結婚記念日。
どういう風の吹き回しか、ヒロが食事に誘ってくれた。

ホテルグランヴィア大阪の鉄板焼「李流」
こんな豪勢な結婚記念日は久しぶり・・そういえばタラが家族になってから
二人でゆっくり食事した記憶が数えるほどしかなかったなぁ・・・

出てきたものは、
前菜(何だったか忘れた・・・ロシアの何とか・・とか説明されたけど)
鴨のフォアグラ
カナダ産オマールエビ
アワビ
山形牛のステーキ
デザート(別席で・・・)

大満足。どれもこれも忘れていたていねいなお味。
最近、食べ放題4000円とかの飲み会が多かったし、
味、量とも満足のアニバーサリーディナーだった。

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アワビは焼きすぎると固くなるのでこのように昆布に巻いて塩を載せて・・・
火をつけるとやわらかく仕上がるそう。
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アワビの肝も一緒に食べたけど・・美味しい~
このあとのフィレステーキを撮るのを忘れた!007.gif
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これからも末永くよろしく~053.gif
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# by anuenue_tara | 2011-10-08 21:48