ためらいがちな真珠あるいは虹の橋のタラ

カテゴリ:IMPRESSION☆感動( 49 )

あまちゃんコンサート

今年の社会現象ともなったNHK朝のテレビ小説「あまちゃん」・・・
「じぇじぇじぇ」という言葉も大流行。
私は途中から見始めたのだが、すっかりはまってしまい
1週間分を録画して週末に一気に見るという感じで最終回まで楽しく見てた~。

その「あまちゃん」の音楽を担当した大友良英さん率いるスペシャルビッグバンドの
コンサートが、昨日の夜、三田市郷の音ホールで行われたのだ。

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演奏されたのはもちろんドラマ「あまちゃん」の中で使われたお馴染みの楽曲ばかり。
1曲1曲大友さんが説明してくれながらの演奏。
オープニングはテレビと同じく、小さな列車がグングン走っていく映像とともに始まる
オープニングテーマ。

そして「あまちゃん」の登場人物それぞれをイメージした曲が次々に演奏された。
海女さんたちのテーマは、サキソフォンからトロンボーン→パーカッション→チューバと
楽器のソロが次々と流れて、聴きごたえたっぷり。
琥珀のベンさんはスナックリアスを思い出させるブルース風だったり、
ミズタクのテーマは演じた松田龍平のパパ松田勇作の「探偵物語」風に・・・と、
聴いているうちにドラマの登場人物や印象的な場面が浮かんでくる、そんな感じだった。

そんなふうにドラマの挿入歌やBGMだけを演奏するコンサートというのは
とても珍しいことだそうで、ドラマの内容とともに音楽もたくさんの人に愛された、
ということなのだろう。

大友良英&あまちゃんスペシャルビッグバンド・・・総勢16名のメンバー。
サキソフォン、トランペット、チューバなどの管楽器と、ピアノ・アコーディオン、
打楽器、ギターなどで編成されていて、巧みな演奏でいろんな音を出す。
ユーモラスな部分もあったりして、バンドのメンバーが心から楽しんで演奏している様子に和む。

たぶん、楽器に疎い私などにはわからない色んなアドリブを
楽しんでいたのではないかと思うが、究極のアドリブは客さんとのセッション。

今回のコンサート、「楽器を持ってくるとステージに上がって演奏できますよ」
という事前告知があり、持ってきていましたよ~みなさん。
会場のあちこちからぞろぞろステージに上がっていったお客さん、軽く100人はいたと思う。

持ってきた楽器はというと、縦笛・フルート・タンバリン・・・チューバを持ってきた方もいた!
中にはアイフォン(?)、それで演奏しますという強者もいて・・・・・

みんな練習してきたのかしら?
上がってすぐ大友さんが一人の少年に指揮を任せて、
オープニングテーマをみんなで演奏、これがちゃんとかたちになっていてびっくりした。
さらに2曲目はバンドが演奏する曲におのおの勝手にセッションしてください・・・
みたいな感じで、これもちゃーんとかたちになっていて・・・「音楽ってすごい!」
・・・そんなひと時だった。

このお客さんとのセッション、ものすごく盛り上がり、そのあとのノリが前半とは全く違って、
ステージも客席もすごくリラックスしてエンディングまで一体感が続き、
ほんとうに楽しい時間を過ごせた。

アンコールの拍手はサザンもびっくりというくらい熱がこもっていて、
それにこたえてあの名曲「潮騒のメモリー」が演奏され、みんなで歌った!
私もハミングで歌った。

ドラマ「あまちゃん」が終わって「あまロス」という言葉が使われるくらい、
ドラマのファンだった人は寂しさを感じていたかもしれないが、
このコンサートでまた元気を取り戻したのでは?と思う。

このコンサート、12月3日にもグランキューブ大阪で行われる予定。
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by anuenue_tara | 2013-10-12 15:17 | IMPRESSION☆感動

今井美樹のコンサート

略奪愛・・大きな口・・素敵な歌詞だけどメリハリのない曲・・

それが私の中の「今井美樹」。

友人に誘われてついて行ってみた。

しゃべり方が江角マキコに似ていた。

曲と曲の間に30秒近く(時にはそれ以上)間ががあり、なんとなく違和感があった。

その「間」に、今井美樹がスタッフにコショコショ指示なのか相談なのか話しているのが

モロにマイクにのっていて、これも何だかな~という感じ。

そしてビックリしたのはコンサートなのに「休憩」時間が設けられていたこと!

ちょっと、勢いというかつながりというか・・ブチッ」と切られる感じがした。

が・・・不満はこれくらいにして、結果的には「とても素敵な」コンサートだったと思う。

彼女の声は。何とたとえたらいいのか・・

癒されると言ったらあまりにも平凡な表現になるけれど・・・良い言葉がみつからない。

休憩をはさんで、アクティブなステージが始まり、

アンコールは「Piece of My Wish」(泣けた・・。

ラストナンバーは知らない曲だった。

今井美樹に抵抗感がずーっとあったのは確かだけれど、

やはり音楽♪って素晴らしい。

彼女を少しだけ見直した・・かな?
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by anuenue_tara | 2011-06-26 22:46 | IMPRESSION☆感動

「欲望という名の電車」

5月7日・8日 シアタードラマシティで上演された テネシー・ウィリアムスの
「欲望という名の電車」というお芝居を観てきた。

ニューオリンズの小さなアパートで、貧しいながらも仲良く暮らすステラとスタンリーのもとに、
ある日やって来たステラの姉ブランチ。

ブランチとステラは上流階級出身だが、
どうやら大きなお屋敷だった家を手放し、
教師の仕事もやめてきた様子。

一方スタンリーは粗野な労働者。
お酒を飲み、友人とボーリングやポーカーに明け暮れ、教養のかけらもない・・・

居候となったブランチとスタンリーは衝突を繰り返す。
そんなブランチの心に安らぎをもたらすのが、スタンリーの友人のミッチ。
ところが、スタンリーがブランチの過去を暴き出したことによって、ブランチの心は崩壊していく・・・

お芝居の見方・・・色々な見方があると思う。
○出演俳優が好きだから
○感動を期待して見る
○演出家や俳優の力を見る

「欲望という名の電車」・・有名な戯曲で、映画化もされ
日本でも杉村春子や栗原小巻・大竹しのぶなどの大女優で何度も上演されている名作なので、
ストーリーはわかっている・・・あとは、このブランチの役を誰がどう演じるか・・・という勝負。

今回、秋山奈津子という実力派が見事に演じきっていた。
・・・と言っても、私はほかの女優さんが演じたものを見たことがないので、
比べることはできないが、少なくとも、ブランチがどんな過去を経験し、
それによってどんな風に心を病み、最後に妹の夫スタンリーによって破壊されていく・・
ということがすんなり理解できた・・ということ。

俳優によっては「心を病む」ということを表現しすぎて「あざとく」なる場合もあると思うが、
秋山奈津子の見事な演技で、最後にブランチが病院に連れて行かれるシーンでは
妹ステラの慟哭に共感できるほどブランチに魅了されていた。

主演の秋山奈津子だけでなく、
ステラ役の鈴木砂羽は姉思いの心優しく明るいしっかり者の妹を好演、
スタンリー役の池内博之は、粗野で現実的なスタンリーを熱演しながら、
彼の持つコンプレックスをうまく表現していた。
最近はわかりやすく、盛り上がりやすいミュージカルが多いが(私も大好き)、
この「欲望という名の電車」のようなストレートプレイは、
俳優の力がそれこそストレートにぶつけられるので、
良い作品・良い俳優・良い演出に巡り会うと、ほんとうに「芝居って素晴らしい」と思う。

これからも、この「欲望という名の電車」は色々なキャストで何度も上演されると思うが、
何度でも見続けたいと思う作品の一つになった。

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by anuenue_tara | 2011-05-08 22:40 | IMPRESSION☆感動

「薔薇とサムライ」

梅田芸術劇場メインホールで13日まで上演中 劇団新感線「薔薇とサムライ」を観てきた。

なんとその日は2回公演をやっていて、私は12時半からのものを観たのだが、
あれだけハードな公演(1回3時間40分)を1日2回やるとは、凄い!
毎日焼き肉でも食べなきゃやっていけないのでは~?と心配してしう。

その「薔薇とサムライ」
まずは会場に入ると、まるでロックライブの会場のようなセット。
舞台の左右の上に生バンド(もちろんロックの)が入ってる。
ノースリーブのTシャツに革パンツ・・みたいな、そんなファッションの人たちが
薄暗い舞台上で最後の音あわせなんかをしている。

中央奥はスクリーンになっていて、そこに背景がアニメのように映し出される。
時には海賊船が暴れる大海原だったり、時には国王の住むお城だったり、
スクリーンを駆使した場面転換も面白かった。
たとえば、お城が遠くにあって、そのお城の窓がずーっとアップになって
パッと窓のカーテンが開くと、舞台はお城の中に早変わり~
ほんとうにアニメを見ているようだった。

さて、ストーリー、
弱気を助け、強きをくじく女海賊 アンヌ・ザ・トルネードが主人公。
舞台は17世紀ヨーロッパの小さな王国コルドニア。
国王が亡くなってから権力を欲しいままにしているのが大宰相のラーカムとその娘マローネ。
強欲な海賊と手を組んで盗んだものをピンハネしているという悪者。
そんな国を救おうと、国王の血を引くと思われる女海賊アンヌを城に連れてきたのが、
将軍のガファスと妻のエリザベッタ。
海賊アンヌは一夜のうちにコルドニアの女王になる。
何故なら、その瞳には亡き国王と同じ金色の輪があったから・・・
それは誰もが納得せざるを得ない証拠になったのだ。

ところが、女王になると大変。隣接するほかの国と協力して、
問題になっている海賊退治をしなければならなくなり、
アンヌは元の仲間との板挟みになるものの、国の平和のため、
断腸の思いで海賊達と戦い勝利する。

しかしその後には、どんでん返しに継ぐどんでん返しがあり・・・
という新感線ならではの結末。

天海祐希がとにかく格好いい!さすが元タカラジェンヌ。しかも月組男役トップスター。
さらにさらに歴代最短期間でトップスターになったという、
華と実力を兼ね備えた天海祐希。
私は現役時代の天海祐希を知らないが、宝塚さながらの格好良さにため息が出そうだった。
なにしろ手足が長い、口調はべらんめぇ調、なのに美しい・・
天海祐希を見ているだけで満足しそう。

そして、力の抜けた石川五右衛門役の古田新太は、今回も愛すべきヒーロー。
そのほか、石川五右衛門をつけねらう(ストーカー?)スペイン生まれの日本人に、
山本太郎・・一人だけ浮き上がった演技も計算のうちなのか?

権力者ラーカム役の藤木孝。
新感線のお芝居では珍しく上品な悪役で、存在感があった。
元タカラジェンヌの森奈みはるの体当たり演技にも嬉しくなった私。
弾け方は半端じゃないですよ。

そんな中、「この人に注目(ミーハー的注目)」は、神田沙也加の演技。
母親が偉大な松田聖子とあってしんどい面もあるだろうとは思うが、
歌唱力は母親譲り、演技力は神田家の血を引いて・・と、バランスの取れた女優さん。
まだイメージが固まっていないので、次回は全く別の感じの役で見てみたいと思った。
楽しみな女優さんでだと思う。

そんなこんなで、隅から隅まで紹介したいところだが、
それではこれから観る方の楽しみがなくなるので、これくらいにして、
最後にエンディングのお話。
幕開きからハードなロックサウンド、しかも生バンドの演奏・・ということで、
とてもエネルギッシュな今回の舞台だが、最後はそのエネルギーが頂点に達する。
演じる側も観る側も拳を突き上げてノリノリになるフィナーレ。
カーテンコールに残りたかったのだけど、エステの予約の時間が迫っていたので、
スタンディングしてみんなが拳を突き上げている中、そそくさと劇場を後にした。
その後の成り行きがとっても気になった。
きっとみんな踊りまくうたのだろうな~と思うと非常に残念な事をした。
3時間10分くらいで終わるだろうと思っていたのが3時間40分かかったのだ~。
お芝居を見るときには時間に余裕を持たなければ・・・(今回の教訓です)

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by anuenue_tara | 2010-05-06 22:16 | IMPRESSION☆感動

映画 「アリス・イン・ワンダーランド」

「アリス・イン・ワンダーランド」、やっと見てきた~。
先週、見に行ったものの満席でみられなかったので、水曜日にリベンジ!
前日に3Dの席を予約して、無事見てきた~。

面白かった~。3Dって、リアル。
映画の中で、お皿が飛んできたり、蝶々が飛び回ったりする場面があるのだが、
すぐ目の前まで飛んでくるので「ひゃ~」と声が出そうになったり、
「おやおや」と手が出そうになったり・・と、映画の画面の中に自分も入っているような、
そんな感じで2時間を過ごした。

一緒に行った友人は、メガネの上に3D眼鏡をかけると痛い・・と言っていたが、
私も近視なので眼鏡をかけてその上に3D眼鏡をかけたけれど、顔が小さいからなのか、
全く違和感なかったわ(^_-)。

ストーリーは、ご存じのとおり、主人公のアリスが不思議なウサギを追いかけて
穴に落ちてしまい、不思議な世界に入り込んでしまう・・というもの。
ファンタジー苦手な私、アリスのお話は詳しく知らないのだが、ストーリーは知らなくても、
・映像の美しさ ・動物たちの表情の豊かさ ・ブラックジョーク など、
十分に楽しめた。この春オススメの一本!


私のお目当てはジョニー・デップ・・素敵~016.gif
この「素敵」は普通の「素敵」じゃないのよ。
大好きなモッくんにも通じる、なんか尋常じゃない雰囲気が私を虜にする~012.gif
何故この人がこんなに素敵に思えるのか私自身でもわからない。
けっこう危ないキャラを演じてばかりなのに・・・素敵053.gif
初めてジョニー・デップを観たのは映画「ギルバート・グレイプ」。
いつもつまらなさそうな顔してたお兄ちゃんの役(弟はレオ様)・・・
この映画の中ではアリスを助けてくれる帽子屋ハッターの役。

そしてもう一人、終わってから「やっぱり~」とわかったのだが、
「赤の女王」という冷酷な女王の役を演じていたのが、ヘレナ・ボナム・カーター。
イギリスものの映画には欠かせない女優さん。
今回は頭の異常に大きな女王を演じていたが、いつもと違い、なんだかコミカルで可笑しかった。

ジョニー・デップとヘレナ・ボナム・カーター、
この二人、「スイニートッド」という映画でも共演していたが
二人とも不思議な魅力の俳優さんだと思う。

楽しく見終わってルンルンで帰ったものの、パンフレットを買い忘れ愕然007.gif
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by anuenue_tara | 2010-04-29 19:49 | IMPRESSION☆感動

映画 「シャッター・アイランド」

今週、日曜日に映画「アリス・イン・ワンダーランド」を観に大阪へ。
3Dの方を観ようと、2300円奮発!の覚悟を決めて
朝11時に友人と待ち合わせて行ったところ、なんと4時過ぎの回まで満席・・
ということで、即予定変更し、安易に「シャッター・アイランド」を選んで観てきた。

監督は、マーティ・スコセッシ、主演は、レオ様(レオナルド・ディカプリオ)
レオ様、さほど好んで観に行きたい俳優さんではないのだが・・・
その時は他に観たい作品がなかったので、とりあえず・・・という感じだったのだ。

ところが、予想外に面白い映画で、得した気分に・・ヒョウタンからコマ・・とは
こんなことをいうのだろうか?

まず冒頭に、「この映画の衝撃的な結末は、誰にも言わないでください」というテロップ。
そうなのだ、結末を言うとこの映画は台無し!になるんだよね~。

でもこんな結末、以前私は(もう何十年も前)一度だけ、松本清張ドラマで観たことある。
「おっと~、こんな終わり方もあるのね~」とびっくりしたが・・・。

ストーリーは、アメリカの連邦保安官・テディが「シャッター・アイランド」という
閉ざされた島に、ある捜査をするためにフェリーでやってくるところから始まる。
精神をわずらった犯罪者を収容する絶海の孤島、シャッター・アイランドで、
一人の女性患者が消えてしまった。
その捜査をするためにやってきたテディだが、
実は彼にはもうひとつ別の理由があった・・そして・・
というお話なのだが、結末は誰にも予想できない展開にうならされる。

原作は、デニス・ルヘインというアメリカの作家で、早川文庫から同名の小説が出ている。
ラストシーンは原作と少し違うようなので、読んでみようかな~。

ということで、観たい映画ではなかったけれど、結果としてはとても面白く、
「なんてラッキーなんだろう」と思いつつ電車に揺られ、帰ってきた。
こんなこともあるのだよね。

もちろん、アリス・イン・ワンダーランドにはもういちどチャレンジするつもり。
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by anuenue_tara | 2010-04-24 19:41 | IMPRESSION☆感動

「ヘンリー六世」

4月10日~17日まで シアタードラマシティで上演中
蜷川幸雄演出 「ヘンリー六世」 を観てきた。
上演時間は実質6時間半、休憩3回を含めると8時間のシェイクスピアの超大作。
本来は9時間の3部作を、6時間半の2部作に凝縮したもの。

まずは、8時間かかるお芝居を観るってどういう事か・・

12時半開演・・休憩含めて8時間ということで、8時半まで劇場にいなければならない。
そこで食事・・おにぎりを持ってきている人、チケットの半券を示して外に出る人 色々だが、
シアタードラマシティではその日 会場内でお弁当を販売していた。
この公演に限り1時間の大休憩の時には客席で飲食OKということで、
私もお弁当(600円)を買って、1部と2部の間に客席でお弁当を食べることにした。
なんだか歌舞伎鑑賞のようだな~なんて思いながら。
8時間の長丁場、食べ過ぎては瞼が重くなる可能性大なので、
皆さん控えめな食事だったようだ。

さあ、お芝居が始まって・・作品に対するワクワク感とこの先の時間に対する不安感・・
と言う不思議な気持ちで臨む。

私がチケットを手に入れたときにはまだ客席半分も埋まっていないようだったので、
やはり長時間だから敬遠されているかな~と思っていたが、
いざ会場にはいるとほぼ満席。
さすがにニナガワ作品。

私の隣の方と後ろの方がお友達だったようで、
なんだかんだとお喋りしている内容が耳に入ってきたのだが、
実はかなりの演劇ファン(そりゃそうだ~)
一人の方は、名古屋から新幹線だか近鉄だかで来られたみたいで、
もう一人は、この「ヘンリー六世」も埼玉で一度観られたらしく、
好きな作品のためなら全国どこでも行きます!という勢いのある方たちだった。

1時間15分のお芝居の後、15分の休憩、そして再び1時間15分、
ふつうならここでフィナーレ・カーテンコールだが、このあと1時間休憩をして、
またまた1時間15分のお芝居、そして休憩15分、
最後の1時間15分が終わって、やっと幕が下りる。
カーテンコールでは観客から出演者達に、出演者達から観客に、と拍手を贈りあった。
会場にいる全ての人たちが共有した8時間。
お互いがその時間を「よく頑張ったね~」というような気持ちで拍手でたたえ合って終わった。

8時間・・・観ている間はさほど長いとも思わず、物語の行方に心を奪われているので
不思議とお尻も痛くなかったでけれど終わって会場を出る頃にやはりぐったり疲れがきて・・・
自宅に帰るとそのまま爆睡してしまった~。

じっと観ている方も大変だが、演じる方は喋ったり走ったりの8時間、
さぞかし大変だと思ったが、それ以上に素晴らしい達成感を感じているのではないだろうか。

さて、「ヘンリー六世」の印象的なシーン。
まず会場にはいると、舞台は真っ白、上手と下手にそれぞれ大きなドア。
奥に白い階段があり階段の上にもちいさなドアが2カ所。
床にはところどころ赤い模様がある。

会場が明るいまま、まだ観客はそれぞれお喋りが終わっていない状態で、
客席の後ろからエプロンに長靴・掃除用具を持った女性達が出てくる。
「あら~、お掃除をするおばさんが出てきた・・・もうお芝居始まるのに・・」と思っていたら、
そのおばさん達、なんと舞台にずんずん上がって行き、
舞台の床にある赤い模様を拭き取っていく。
そう、真っ白な床に赤い模様・・・それは血糊を表していたのだ。
イングランドの歴史は王位をめぐって血で血を洗う凄まじい殺し合いの歴史・・
あらためて、そうなんだ~と思いながら長い時間をかけて丁寧に血糊が拭き取られた舞台に、
今度は天井からバタッ、バタッと大きな肉片のようなものが落ちてくる。
何個も何個も~。
せっかくきれいに血糊が拭き取られた床に、
落ちる瞬間の音がはかない命の重さのように私の心臓に響く。

初めて観るものにはかなりの衝撃的なオープニング。
そしてこのあとの血で血を洗うさまざまな出来事が予測されるオープニング。

「ヘンリー六世」、この物語はエドワード三世の子孫達が
ランカスター派とヨーク派の二つに別れて王位を奪い合う
「薔薇戦争」と呼ばれた内戦が舞台になっている。
それぞれが胸に赤い薔薇・白い薔薇の紋章をつけて戦ったことから
後世に「薔薇戦争」と呼ばれたと言うことで、
ランカスター派の場面では天井から赤い薔薇が、
ヨーク派の場面では白い薔薇がずーっと降ってくる。
音もなくふんわりと・・ではなく、スーッと落ちてきてトンと着地するので、
その音も何らかのメッセージになっているような気がした。
そして場面が変わるたびにお掃除おばさんが出てきて舞台をきれいにしていくのだ。

人間以外に舞台に出てくるものは、国王が座る玉座、空から降ってくる血にまみれた肉の塊、
戦いで殺された者達の首、そして赤い薔薇と白い薔薇・・・・
この物語を象徴するものがシンプルに・・美しく・・
何度も何度も出てくる。蜷川幸雄らしい美しい演出だった。

お芝居のためにだけに費やした8時間。
最後には、演じる方も観る方もお互いにエールを送り合った長い長いお芝居。
「よその国の歴史なんだから、事細かなことを必死で観なくてもいい。」
そんなようなことを蜷川幸雄は言っていた。
舞台上に流れる凄まじい権力争いという空気を感じながら、
美しい演出を楽しませて貰った8時間。

体力の限界に挑戦といいながら、やはり観て良かったと思った。

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by anuenue_tara | 2010-04-11 23:20 | IMPRESSION☆感動

「かたりの椅子」

昨日の土曜日(27日)、シアタードラマシティで上演された「かたりの椅子」を観てきた。
作・演出 永井愛 ということだったので、興味があったのだ。
というのも、何年か前に上演された「歌わせたい男たち」というお芝居が
印象的だったから。
学校の卒業式での国旗(日の丸)掲揚・君が代斉唱問題を扱った作品で、
非常に面白かった。
それも永井愛さんの作で、デリケートな問題をどちらかに偏ることなく、
少し滑稽に表現していた。
今回の「かたりの椅子」は、町おこし・官僚・根回しがキーワード。

地方にある架空の街、かたり市で町おこしのイベントが開かれることになる。
実行委員会が開かれるのだが、
天下り官僚である文化財団の理事長の無難でありきたりな案と、
若手デザイナーの斬新な案があり、
委員たちやプロデュースを任された主人公のりんこ達は、
はじめは斬新なデザイナー案を支持し理事長と戦おうとする。
ところが、ミイラ取りがミイラになったり、板挟みになった下っ端役人が病気になったりと、
どんどん形勢が不利になっていくのだ。
結局は、最後の委員会が始まる・・・という直前で幕が閉じ、
結論は観客に想像させる。
もちろん天下り官僚が悪者っぽくは描かれてはいるが、
正義の味方だったはずの主人公も後半には怪しくなっていく。

貫き通せない人間の弱さや醜さを批判するのは簡単でだが、
果たして自分がその立場だったら・・・
そんな気まずさを感じるファジーな結末に、永井愛の巧みさを感じた。

拳を振り上げて「こうなのよ!これが正しいのよ!」というより、
「考えてみてください」と言っているのだろう。

「歌わせたい男たち」と同じく「かたりの椅子」も見終わって「う~ん・・・」と考えさせられる作品。
そして、最後の場面で主演の竹下景子が大声で怒鳴る場面にビックリ!
あんな声が出るのだ・・と、さすがはプロの女優さんだ~。
あと、照明だけで場面転換をする手法も面白かった~。

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by anuenue_tara | 2010-03-28 19:10 | IMPRESSION☆感動

「なにわバタフライ」

なにわバタフライ・・・なにわの蝶々・・・そうモデルはミヤコ蝶々。

ミヤコ蝶々の演技を見たのはTVの・・・タイトルは忘れたのが、
関西の女性の根性ものドラマ・・・
「損して得取れ」という蝶々のセリフがすごく印象的でだった。

そして、南都雄二との「夫婦ぜんざい」という番組で、
オープニングに二人のトークがあるのだが、
その時の蝶々のツッコミが痛快だったのをおぼろげながら憶えている。

この「なにわバタフライ」を見て、初めてあの二人の立場・・というのがわかり、納得できた。
その頃夫だった南都雄二、実はその前は蝶々(正確に言うとその頃の夫である有名な噺家の・・)
のお弟子さんだったのだ~。

ミヤコ蝶々・・・1920年に生まれる。実は東京生まれ、
4歳で両親が離婚し、父親と共に神戸に移り住む。7
歳の時に父親が旅回りの一座を結成、日本一若い座長として日本中を廻る生活が始まる。

その後、一座を解散して吉本興業に入り、当時の大物噺家と結婚(実は略奪婚)
夫と劇団を作り、台本作りからすべてをこなす。

夫の浮気が原因で、ヒロポン中毒に陥り、入院生活を送る。
その時に支えてくれた夫の弟子(南都雄二)と結婚。
その後は二人で漫才コンビを組み、売れっ子となり、ラジオ・テレビで活躍するようになる。

そして、2度目の夫・南都雄二の浮気が原因で再び離婚。
離婚してもコンビは続け、「夫婦ぜんざい」というTV番組は20年続く長寿番組となる。


1973年、別れた夫・南都雄二が亡くなる。
それ以前から舞台女優として活躍、
紫綬褒章などを授賞するナニワの大女優となっていた蝶々。

2000年、80歳で永眠。
7歳から80歳までの73年の長い芸人人生も幕を閉じた。

そんな「恋に生き、芸(仕事)に生きた」ミヤコ蝶々をモチーフに、
三谷幸喜が戸田恵子のために舞台化したのが「なにわバタフライ」なのだ。

たまたま大阪の古書店で見つけたミヤコ蝶々の自伝「女ひとり」を読んで、
これは面白いと、すぐに戸田恵子にその本を渡して、
ついに戸田恵子のための一人芝居が出来上がった・・・らしい。

2004年に初演、今回は6年ぶりの再演・・となるわけだが、
NV(ニューバージョン)とついているだけに、そのままの再演ではないよう。
私も初演のものを見たいと思いつつ見逃してしまっていたので、
今回との違いはわからないが、初演を観た方でもきっと、NVは新鮮に映ると思う。

さて、「なにわバタフライ」、見どころは・・・小道具。
もちろん一番の見どころは戸田恵子の演技力だが・・それは当然のこととして、
今回は小道具が存在感を発揮している。

舞台の真ん中に大きな風呂敷に包まれた小道具がすでにセットされている。
開幕の合図もなく舞台上手の幕端から戸田恵子が顔だけ出して、
ゆるゆると芝居は始まっていく。
そして戸田恵子自身がその大きな風呂敷をひろげ、小道具たちをセッティング。

装置のセット、前説、すべて戸田恵子一人でこなす。
そして後ろを向いてミヤコ蝶々のトレードマークだった大ぶりのサングラスをかけて、
振り向くともう女優戸田恵子ではなく「なにわバタフライミヤコ蝶々」になっていた。
(ミヤコ蝶々が天から降りてきた・・・という感じ)

そして、ミヤコ蝶々の「恋と芸に生きた」人生が語られていくわけだが、
その中で大活躍するのが・・・小道具たち。

種明かしをしてしまうと、これから見に行かれる方の楽しみがなくなるので、
存在感のある小道具は「写真立て」と「ガムテープ」とだけ言っておこう。
さて、その写真立てとガムテープがどんなことに使われるか・・
うまいな~と感心してしまうこと間違いなし。

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by anuenue_tara | 2010-03-22 19:01 | IMPRESSION☆感動

「ガブリエル・シャネル」

コメディミュージカル「ガブリエル・シャネル」
3月3日~28日まで 大阪松竹座で上演中
16日に観てきた。

ガブリエル・シャネルが生まれたのは19世紀の末、
女性達はまだ古い時代を生きていた。
少女時代を孤児院で過ごした彼女は、生きるためにお針子として働くうちに
帽子のデザインで頭角を現す。
そして恋人エチエンヌの援助を得て、1909年、パリに帽子店を開く。
その後、アーサー・カペルというイギリス人の資産家男性からの出資により、
新たに店を出し、女性の洋服をデザインするようになる。
それまでの女性はきついコルセットにロングスカートという、およそ働くには窮屈なファッションでだったが、
このころから女性が自分の仕事を持ち始め、
シャネルの活動的な洋服はパリに新しい風をおこす。

ところが、良き理解者、援助者、そして恋人でもあったアーサーが
自動車事故で死んでしまう。

深い悲しみを乗り越えて、シャネルは、友人のミシアという女性の影響で、
パリの社交界での交友関係を広げていく。
その友人達の中には、詩人のジャン・コクトー、作曲家のサティ、
画家のピカソなどたくさんの芸術家がいて、色々な影響を受けたり与えたりしていく。

その後、シャネルは店の従業員達のストがもとで、従業員全員を解雇して、
沈黙の15年と言われる時期に入る。
そして15年後、復活コレクションを発表、「シャネルの復活コレクションは
1930年代の亡霊」と酷評されてしまうが、そのシャネル・ファッションを
熱狂的に受け入れたのがアメリカの女性達。
アメリカの女性達が求めたのはビジネスの場面にもフォーマルな場面にも対応できる
合理的でシックなシャネルのファッションだったのだ。

19世紀に生まれ、20世紀にファッションの革命を起こしたガブリエル・シャネル、
いつも前に向かって歩き続けた女性、21世紀の現在も彼女のオーラは消えていない。

そんなシャネルの生涯を描いたのが、今回の「ガブリエル・シャネル」という作品。

私のイチオシの見どころは、主役・大地真央の演じる12歳のシャネル。
大地真央・・現在のお歳は・・大きな声では言えないが50歳を少し過ぎたところか?
その彼女が、お芝居の中盤、不幸な少女時代、12歳のシャネルも演じるのだが~~~
とっても可愛い。どこから見ても少女。
クルクルの巻き毛に、エプロンドレス、仕草もダンスも、ちょっと下品なしゃべり方も、
とってもナイス!お人形のようでだった。

そして、シャネルのお話なので、登場するファッションも洗練されていて、
大地真央が素敵に着こなしていた。女性にとってはそういうところも見逃せない。

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by anuenue_tara | 2010-03-18 18:53 | IMPRESSION☆感動