ためらいがちな真珠あるいは虹の橋のタラ

「欲望という名の電車」

5月7日・8日 シアタードラマシティで上演された テネシー・ウィリアムスの
「欲望という名の電車」というお芝居を観てきた。

ニューオリンズの小さなアパートで、貧しいながらも仲良く暮らすステラとスタンリーのもとに、
ある日やって来たステラの姉ブランチ。

ブランチとステラは上流階級出身だが、
どうやら大きなお屋敷だった家を手放し、
教師の仕事もやめてきた様子。

一方スタンリーは粗野な労働者。
お酒を飲み、友人とボーリングやポーカーに明け暮れ、教養のかけらもない・・・

居候となったブランチとスタンリーは衝突を繰り返す。
そんなブランチの心に安らぎをもたらすのが、スタンリーの友人のミッチ。
ところが、スタンリーがブランチの過去を暴き出したことによって、ブランチの心は崩壊していく・・・

お芝居の見方・・・色々な見方があると思う。
○出演俳優が好きだから
○感動を期待して見る
○演出家や俳優の力を見る

「欲望という名の電車」・・有名な戯曲で、映画化もされ
日本でも杉村春子や栗原小巻・大竹しのぶなどの大女優で何度も上演されている名作なので、
ストーリーはわかっている・・・あとは、このブランチの役を誰がどう演じるか・・・という勝負。

今回、秋山奈津子という実力派が見事に演じきっていた。
・・・と言っても、私はほかの女優さんが演じたものを見たことがないので、
比べることはできないが、少なくとも、ブランチがどんな過去を経験し、
それによってどんな風に心を病み、最後に妹の夫スタンリーによって破壊されていく・・
ということがすんなり理解できた・・ということ。

俳優によっては「心を病む」ということを表現しすぎて「あざとく」なる場合もあると思うが、
秋山奈津子の見事な演技で、最後にブランチが病院に連れて行かれるシーンでは
妹ステラの慟哭に共感できるほどブランチに魅了されていた。

主演の秋山奈津子だけでなく、
ステラ役の鈴木砂羽は姉思いの心優しく明るいしっかり者の妹を好演、
スタンリー役の池内博之は、粗野で現実的なスタンリーを熱演しながら、
彼の持つコンプレックスをうまく表現していた。
最近はわかりやすく、盛り上がりやすいミュージカルが多いが(私も大好き)、
この「欲望という名の電車」のようなストレートプレイは、
俳優の力がそれこそストレートにぶつけられるので、
良い作品・良い俳優・良い演出に巡り会うと、ほんとうに「芝居って素晴らしい」と思う。

これからも、この「欲望という名の電車」は色々なキャストで何度も上演されると思うが、
何度でも見続けたいと思う作品の一つになった。

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by anuenue_tara | 2011-05-08 22:40 | IMPRESSION☆感動
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