ためらいがちな真珠あるいは虹の橋のタラ

ミュージカル「パイレート・クィーン」

2010年最初の観劇は、ミュージカル「パイレート・クィーン」。
1月1日~11日まで梅田芸術劇場で上演中。

スペクタクル・ミュージカル・アドベンチャー「パイレート・クィーン」は
アイルランドの歴史に名を残した類まれなる女性グレイス・オマリーの物語。

女性が船乗りになることなど許されなかった時代、彼女は実力で海賊船の船長となり、
当時のイングランドの王エリザベス一世と堂々と渡り合い
祖国アイルランドの運命について意見を交わした女性として、
数百年後の今も生き生きと語り継がれているそうだ。

舞台でも主人公グレースとエリザベス一世の会談のシーンが物語の要の一つとなっている。
血を流して戦い、騙し騙されて勝利を獲得することに躍起になっている男性たちを尻目に、
お互い心を開いて祖国やそこに住む人々のことを語り合い、理解し合って、
戦いをやめる決断を下すことが賢い女性の選択だった。

~ストーリー~
16世紀、アイルランドは隣国イングランドの属州となり各部族の争いが続いていた。
グレイス・オマリーはオマリー一族の族長の娘で
「船乗り」になることを夢見るおてんばな女性。
「女が船に乗ることは許されない」時代ではあったが、熱意と実力を認められ、
「海賊の女王」と呼ばれ、活躍する。

一方イングランドには正真正銘の女王、エリザベス一世が誕生していた。
エリザベスからアイルランドの完全征服の使命を受けて、
臣下のビンガム卿はアイルランドに向かう。

そんな中、アイルランドでは、イングランドに対抗するため、
オマリー一族とオフハラティー一族が政略結婚を計画。
オマリーの娘グレイスとオフハラティーの息子ドーナルを結婚させて、
国内での部族の和をはかり力をつけようということ。

グレースには心に決めた恋人ティアナンがいたが、
祖国のためその恋をあきらめ政略結婚に従う。
そして心やぶれた恋人ティアナンは、それでも臣下としてグレイスを一生守っていこうと決意。

結婚によってグレイスは男の子を出産。その直後イングランドとの戦いが始まる・・・・
一時は勝利を収めるが、夫ドーナルの裏切りによって
グレイスはイングランドに囚われてしまう・・・

「パイレート・クィーン」の見どころ
①「アイリッシュダンス」
上半身はほとんど動かさず下半身のステップだけで(タップダンスに似たステップ)踊る、
素朴で躍動的なダンスが随所で披露される。
このアイリッシュダンスの振り付けは、かの有名な「リバーダンス」世界ツアーに
8年間関わったという キャロル・リーヴィ・ジョイス が担当 。
そして本場アイルランドやイギリスから本物のアイリッシュダンサーが
何人か参加しているので本格的アイリッシュダンスが披露さる。
見ているだけで心が躍り出すような素晴らしいダンスが何度も見られる~
これが最大の見どころと言えるだろう。

②対照的な二人の女性
「パイレート・クィーン:海賊の女王」グレイスと、「イングランドの女王」エリザベス一世。
イングランドからは未開の地とされていたアイルランドに生まれ船乗りとなった
お転婆娘グレイスとイングランドの女王に即位したエリザベス、すべてが対照的。
グレイスは結婚をして子供を産み、そして結婚が破綻しても陰で支えてくれる恋人がいる。
一方、エリザベスは権力はあるものの、独身で恋人と呼べる人もいない。
物語の後半でこの事実がエリザベスの決断に影響を与える。
よく「女の敵は女」とよく言われ、立場や環境の違う女性同士の対立はよく話題になるが、
この対照的な二人グレイスとエリザベスは、最後には心を開きあい賢い選択をする。

③衣装の美しさ
海賊グレイスを保坂知寿、エリザベス女王は涼風真世が演じている。
グレイスの衣装は「海賊」だから・・綿や麻のドレス・皮の外套・船乗りのパンツ姿など
質素で地味なものが使われている。
一方エリザベスは「本物の女王」なので、絹やベルベットのドレス、
ベースカラーは、金・赤・黒と非常にゴージャスなものが使われている。
女性の私としては、衣装的には涼風真世演じるエリザベス一世にうっとり・・・

④歌声
ほとんどすべての台詞が歌で表されている。まるでオペラのよう。
キャストが素晴らしい歌声を披露、なかでもやはり二人の女王の歌声は印象的。
劇団四季で主役を何度も務めた保坂知寿、元宝塚の涼風真世、
それぞれの個性を最大限に発揮。特に涼風真世の高音は素晴らしい。聴き惚れてしまう。

そのほか、絵本をめくるようにスピーディに進むストーリー、
躍動的な海賊船と豪華なエリザベスの城の「動」と「静」の切り替えの巧みさ・・
そして、生のオーケストラ演奏など、見どころ満載!
お正月にふさわしい華やかなステージだ。

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by anuenue_tara | 2010-01-09 15:44 | IMPRESSION☆感動
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